四聖獣奇譚~Tale of the Four Holy Beasts~
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東方地域に伝わる子供も知っているほど有名なおとぎ話に「テンゼンの鬼退治」というものがある。そのおとぎ話によれば紅玉海の獄之蓋には人を襲う悪い鬼が棲んでおり、それを退治したのがテンゼンとお供の四聖獣であると言い伝えられている。
だが四聖獣に数えられる「玄武」が直接語ったとされる真実に よると話は少し違っている。
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テンゼンには、生まれながらにしてあらゆる生命の声を聞くことができる特別な能力があり、星の声とすら語り合うことができたそうだ。だが、その異能のせいで周囲からは不気味がられ忌み嫌われた。当の本人はそんなことは気にも留めていなかったが、自分を不気味がる周囲に気を使ったのか、人の社会には留まらず四聖獣と共に諸国を旅していた。そして、獣を連れて人助けの旅を続ける内にいつしか英雄と呼ばれるようになっていた。
丁度その頃、黄龍という大地を操る神通力を宿した瑞獣が、アラミタマに心を飲まれ暴れ始めたという。荒ぶる黄龍放置すれば、獄之蓋はやがて噴火を迎え、ヤンサとひんがしの国は、炎に包まれる。その対応に困り果てていた帝の耳に各地で英雄と呼ばれるテンゼンの噂が耳に届き、テンゼンに黄龍討伐の命が下った。テンゼンは四聖獣よりも強力な神通力を持つ黄龍を相手に、神刀「鳳凰丸」を手に勇敢に戦ったが力及ばず、最後は命と引き換えに黄龍を醴泉神社封印したのだ。後に命を懸けて紅玉海の危機を救ったテンゼンの活躍は、おとぎ話として世に語り継がれるようになった。
https://gyazo.com/df56777c9a1c18e084e87e4cf0fc3b09 白虎 https://gyazo.com/3c0e7e574668b21542ba339bf274ad02 朱雀 https://gyazo.com/cc562157c968f472bb99ff5189be1d57 青龍 しかし、長き時を経て黄龍の封印が崩れ去ろうとしているという。四聖獣を凌駕する神通力を持つ黄龍は人の力のみでは鎮められず、四聖獣すべての妖力を束ねて再封印を施すしかない。
だが、四聖獣もまた長生きをしすぎた。四聖獣自身もまた黄龍と同様にアラミタマに心を飲まれようとしている。神通力を用いて、己のアラミタマをなんとか押さえこんでいるが、そのため再封印のために妖力を割けないという。やがて訪れる黄龍の復活という大災厄に備えるため、四聖獣たちのアラミタマを鎮める必要があった。